腰痛は、整骨院でもご相談の多い症状のひとつです。
「朝起きたら腰が痛くなった」「長く座っていると痛い」「前にかがむと痛い」「腰を反ると痛い」など、同じ“腰痛”でも症状の出方は人によってかなり違います。
そのため、腰が痛いからといって、すべて同じように治療すればよいわけではありません。
大切なのは、どのような動きや姿勢で症状が出るのか、そして何がその痛みに関係している可能性があるのかを考えることです。
腰痛の原因はひとつとは限りません
腰痛というと、「骨が悪い」「筋肉が硬い」「姿勢が悪い」など、ひとつの原因をイメージされることがあります。
しかし実際の腰痛はそれほど単純ではありません。
椎間板や椎間関節といった腰椎周囲の組織、筋肉や筋膜、仙腸関節、神経など、さまざまな組織が症状に関係する可能性があります。
また、画像検査で変化がみられたとしても、それだけで現在の痛みの原因をすべて説明できるとは限りません。
そのため、画像所見だけではなく、症状が出た経緯や痛みの場所、動作や姿勢による変化、神経症状の有無などを合わせて考えていくことが重要です。
POINT 01
腰痛は「痛い場所」だけで判断しません
当院では、いつ・どのように痛くなったのか、どこが痛むのか、どのような動作や姿勢で症状が変化するのか、脚への痛みやしびれはないかなどを確認します。
ひとつの動作や検査だけで「○○が原因」と決めるのではなく、複数の所見を組み合わせながら評価していきます。
当院では腰痛をどのように考えているのか
佐藤代田整骨院では、問診や身体評価を行ったうえで、腰痛にどのような組織や要因が関係している可能性があるのかを考えていきます。
腰痛を考えるうえでは、大きく次のようなものがあります。
① 椎間関節が関係する腰痛
椎間関節は、背骨の後方にある関節です。
腰を反る、捻るといった動作では椎間関節周囲に負荷が加わるため、こうした動きと症状との関係を確認します。
ただし、「腰を反ると痛い=必ず椎間関節が原因」というわけではありません。痛む場所やその他の動作、身体所見なども合わせて評価します。
② 椎間板が関係する腰痛
椎間板は、腰椎と腰椎の間にある組織で、背骨に加わる力を受け止める役割があります。
前かがみや座位などで症状が変化することもあり、姿勢や動作による痛みの変化は重要な情報になります。
椎間板は椎間板ヘルニアとも関係しますが、「椎間板が関係する腰痛」と「椎間板ヘルニア」は必ずしも同じものではありません。
③ 筋・筋膜が関係する腰痛
腰部には脊柱起立筋、多裂筋、腰方形筋など、多くの筋肉があります。
スポーツや仕事での負荷、急な動作、長時間同じ姿勢を続けることなどをきっかけに、筋肉やその周囲に症状が出ることがあります。
腰だけを見るのではなく、股関節や体幹の動き、普段の身体の使い方なども確認することが大切です。
④ 仙腸関節が関係する腰痛
仙腸関節は、骨盤にある仙骨と腸骨をつなぐ関節です。
腰というよりも、お尻に近い部分に痛みを感じることもあります。
仙腸関節についても、痛む場所だけで判断するのではなく、複数の身体所見や疼痛誘発テストなどを組み合わせて、症状との関連を考えていきます。
⑤ 神経症状を伴う腰痛
腰痛に加えて、脚の痛みやしびれ、筋力低下などがみられる場合には、神経が関係している可能性も考える必要があります。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などでも神経症状が出ることがあります。
神経症状がある場合には、その症状の程度や経過を確認し、必要に応じて整形外科などの医療機関での検査・診察が必要になります。
NOTE|このような腰痛は医療機関での検査が必要な場合があります
腰痛の中には、骨折や感染症、腫瘍、内臓疾患などが背景にあるものもあります。
強い外傷後の腰痛、発熱を伴う腰痛、安静にしていても強く痛む場合、急速に進行する筋力低下、排尿・排便の異常、会陰部の感覚異常などがみられる場合には、整骨院での施術よりも医療機関での検査・診察を優先する必要があります。
当院でも問診や身体所見から精査が必要と判断した場合には、医療機関への受診をご案内しています。
「腰痛だから腰を治療する」だけではありません
同じ腰痛でも、関係している組織や身体の状態が違えば、必要な対応も変わります。
痛みが強い時期には負担を調整する必要がある場合もあれば、状態に合わせて少しずつ身体を動かしていくことが大切な場合もあります。
さらに症状が落ち着いてきたら、同じ負担を繰り返さないために、腰だけではなく股関節や体幹を含めた身体の動きを改善していくことも重要です。
そのため当院では、痛みを軽減することだけを目的にするのではなく、評価 → 治療 → 運動・再発予防までをひとつの流れとして考えています。
CHECK|今回のポイント
- ・腰痛の原因はひとつとは限りません
- ・画像所見だけで痛みの原因を判断できるとは限りません
- ・痛む場所、動作、姿勢、神経症状などを合わせて評価することが大切です
- ・椎間関節、椎間板、筋・筋膜、仙腸関節、神経などが症状に関係することがあります
- ・腰痛の状態によって、治療や運動の考え方も変わります
- ・医療機関での検査を優先すべき腰痛もあります
次回から、それぞれの腰痛について詳しく解説します
今回は、腰痛を考えるうえでの全体像をご紹介しました。
次回からは、それぞれについて「どのような組織なのか」「どんな動きで負担がかかるのか」「どのように評価するのか」「どのような治療を行うのか」「自宅ではどう対処すればよいのか」まで詳しく解説していきます。
さらに、実際に行えるエクササイズについても、画像を使いながら、やり方・回数・注意点まで紹介していく予定です。
腰痛をひとまとめにするのではなく、まず現在の状態を確認し、その方に合った対応を考えることが大切です。
